WORKPLACE
Speech-Language-Hearing Therapistの頭文字を取ってSTとも呼ばれる「言語聴覚士」は、理学療法士や作業療法士、視能訓練士と同じくリハビリテーションの専門職であり、厚生労働省に認められている国家資格です。
失語症や高次脳機能障害、言語発達障害、聴覚障害、音声障害や摂食嚥下障害などの悩みを抱えている方を中心に、必要に応じてリハビリテーションや指導、アドバイスを実施していきます。
言語聴覚士は、「聞く」「話す」「食べる」「しゃべる」「理解する」などに問題が生じている人に専門的なリハビリテーションを実施して、障害を克服・改善することが役割です。おもに、以下のような症状に対してリハビリテーションを行います。
・聞こえの障害
加齢や病気、ケガなどで耳の聞こえが悪くなることがあります。聞こえがとても悪くなると、会話が成立しなくなったり、サイレンやクラクションの音も聞こえなくなったりと、生活に支障が出ます。
また、小児であれば、言葉を覚えられないなどの問題が生じます。
・言葉の障害
脳の病気やケガにより、言葉が理解できなくなったり、理解はできていても言葉にできなくなったりという症状(失語症)になる可能性もあります。
また、小児の場合だと、言葉の発達が遅い(言語発達障害)などの問題が出てくる可能性があります。
・飲み込みの障害(摂食障害、嚥下障害)
加齢や病気、ケガなどにより、飲食物を噛んだり飲み込んだりするのが難しくなることがあります。高齢者の喉に餅が引っかかる、水でむせるという症状が多いのも、これが原因の可能性があります。
言語聴覚士の1日のスケジュールは勤務先によって異なりますが、ここでは病院における業務の流れをご紹介します。
08:30
09:00
12:00
13:00
14:00
16:30
17:30
言語聴覚士は「言語聴覚士法」に基づいて、厚生労働大臣から与えられる国家資格であり、免許を持っていないと名乗ることができません。
資格を取得するためには、国家試験に合格しなければなりません。また、国家試験を受けられるのは、以下のような学校や養成所で学んだ人になります。
<言語聴覚士の国家試験を受けるために必要な条件>
・文部科学大臣が指定する学校を卒業
・都道府県知事が指定する養成所を卒業
・一般の4年制大学を卒業し、指定された大学・大学院の専攻科または専修学校(2年制)を卒業
言語聴覚士に必要なこと、求められることを以下に挙げました。このすべてを持っている人が、言語聴覚士に向いているといえるでしょう。
<言語聴覚士に求められること>
・洞察力
言語聴覚士は、一般人では見過ごしてしまうような細かい発音や口の動きに気付き、評価、訓練に活かさなければなりません。ですから、細かいことに気付く能力や、分析力・洞察力が必要といえます。
・自分を高めようとする勤勉さ
言語聴覚士が用いる技術は、会得するのに長い時間を要します。さらに、医学の進歩に合わせて、最新の情報を取り入れる意欲が必要です。
・脳に興味を持とうとする姿勢
言語聴覚士ということで、口と耳の機能だけを見るのではなく、口と耳の機能をつかさどる脳の状況も把握できなくてはいけません。
脳と障害の関係を知ろうとする姿勢は、非常に重要になってきます。
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